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雑学

【牛乳アレルギーだとヨーグルトも駄目?】乳酸菌を使った治療法とは?

2022/06/19

牛乳アレルギーになると、乳製品やシチューやグラタンなど、美味しい食べ物が食べられなくなりますよね。しかし、工夫によっては、シチューやグラタンを食べられるかもしれません。間違えやすい食品の表示の解説や、乳酸菌を使った牛乳アレルギーの治療法を解説します。

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食物アレルギーが起きる原因

人間の体には体内に侵入した異物に対して抗体である IgEを生成し、異物を攻撃して体を守る働きがあります。これを免疫反応と言います。この免疫反応が、ある特定の物質に過剰に反応してしまうのが、アレルギー反応と呼ばれます。食物アレルギーでは食べ物に含まれるタンパク質が異物(アレルゲン)を認識し、アレルギー反応が引き起こされます。

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アレルギー反応の症状

アレルギー反応の主な症状としては、下痢や嘔吐、発疹などがあります。発疹は体の表面に発症する場合もあれば、喉などの体内の粘膜にできる場合もあります。このような場合は、むくんだり呼吸困難になる可能性があります。アレルギー体質の子供は、アトピー性皮膚炎や喘息、アレルギー性結膜炎や鼻炎になりやすいので注意しましょう。

 

アレルギー反応の特徴として、一度アレルギー反応を起こした人は、二度目からはさらにひどいアレルギー反応が出るということがあります。なぜなら人間の体はアレルギー物質を異物として記憶しているので、次に同じ異物が購入した時に、前回よりも少量でアレルギー反応を引き起こすためです。このためアレルギー反応を繰り返すほど、アレルギー反応を引き起こしやすくなると言えます。特に乳製品のアレルギーがある場合、牛乳と似たタンパク質を持つ他の食品でもアレルギー反応を引き起こしてしまいます。

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アレルギー検査

アレルゲンを特定するための検査というものがあり、それは生後4ヶ月から検査可能です。内容としては、採血をして血液検査をし、主なアレルゲン物質を特定します。しかしながら生後4ヶ月の赤ん坊では血管は細く、採血の負荷が大きいです。また赤ん坊は体が発達していないので、それが原因で症状が発症している可能性も考えられます。それらを考慮すると、生後2歳を過ぎてからアレルギー検査をするのが望ましいでしょう。

 

乳幼児期の食物アレルギーで最も多い原因が卵や乳製品、小麦です。 しかし乳幼児期を過ぎればこれらの食物アレルギーは軽減していく場合が多く、3歳では約半分が、6歳になると8割の子供はアレルギーを克服しています。厳密に言えばアレルギー食品を食べられるようになったかどうかは検査をしてみないと分かりません。この検査を6ヶ月から12ヶ月の単位で定期的に行い、 IgE抗体(免疫グロブリンE) 検査を行い、その後に食物負荷試験を行って実際に食べられるようになったかどうかを試験します。

 

食物アレルギーと混同しやすい病気

よく牛乳を飲んでお腹がゴロゴロしたり下痢になってしまう人がいますが、これは牛乳に含まれる乳糖が分解できないため、乳糖不耐性になっているということです。なので、これは食物アレルギーとは呼びません。また細菌やウイルスが引き起こす急性胃腸炎や、毒キノコやフグなどの中毒症状も、食物アレルギーとは呼びません。食べ物を食べた後に症状が出たからといって、なんでも食物アレルギーだと断定するのは早急です。

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牛乳アレルギーの原因

牛乳アレルギーの原因は、主に牛乳タンパクの中のカゼインです。 このタンパク質は熱に強く、加熱してもタンパク質の変性はほとんどありません。なので牛乳を飲む前に加熱処理したからといって、牛乳アレルギーが改善されるわけではありません。また発酵させた場合もカゼインは分解されないため、ヨーグルトやチーズも牛乳アレルギーの方は注意しましょう

 

牛乳に関するアレルギー表示

「乳」のアレルギー表示に関しては、普通は「○○(乳成分を含む)」と表示されたり、添加物に用いられる時には「○○(乳由来)」と表示されます。また、「乳」という漢字が含まれていなくても牛乳が含まれている成分があります。ホエイパウダーやカゼインナトリウムがそれで、これらの成分は牛乳が含まれているので注意しましょう。
一方で 「乳」という漢字が含まれていても、牛乳や乳製品を含まない成分があります。例えば、加工食品に利用される卵黄や大豆、牛脂から作られる「乳化剤」や、菌の名前であり、漬物などにも含まれる「乳酸菌」、または「乳酸カルシウム」がそれです。ただし乳酸菌飲料は乳製品なので注意しましょう。 そうは言っても「練乳」「乳酸菌飲料」「はっ酵乳」「全粉乳」「脱脂粉乳」には牛乳が含まれるため、牛乳アレルギーの人は摂取できません。

 

乳頭について少し解説しておきましょう。乳糖はタンパク質ではなく糖質ですが、 乳たんぱく質の混入が避けられまません。しかし、乳頭に含まれているタンパク質はごく微量で、アレルギーの人に与える影響は少ないので、牛乳アレルギーの人でも摂取することができます。詳しい判断は専門医に判断を仰ぎましょう。

 

牛乳が含まれると勘違いされやすい食品に、カカオバターやココナッツミルクがあります。これらには牛乳は含まれていないので、安心して摂取することができます。

 

牛乳以外の動物の乳に関しては表示の義務がありません。しかし牛乳アレルギーの人の多くが、ヤギの乳でも症状を発症するので注意が必要です。

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アレルギー用ミルクについて

世の中にはアレルギー用ミルクという、牛乳アレルギーを持つ患者に対して作られたミルクがあります。 このミルクは、牛乳のタンパク質を加水分解し、低分子化することに成功しました。 そのためアレルギー反応が出にくくなっており、牛乳アレルギーの患者でも安心して飲むことができます。

 

牛乳アレルギーの治療法

牛乳アレルギーに対する対処法としては、アレルギーの原因物質を避けて食生活を続けるという方法があります。これは確かに効果がありますが、食べられる食品が限られてしまうため、QOL=生活の質が下がってしまうことにつながります。そこで、新しい治療法として、経口免疫療法にスポットが当たっています。この治療法では、牛乳を避けるのではなく、牛乳を安全な範囲の量で少量ずつ摂取することで、 アレルギーに慣れさせるという治療法です。

 

また、抗アレルギー効果を持っているとされる乳酸菌を使う治療法もあります 。乳酸菌によって発酵させた果汁飲料を継続的に摂取すると、スギ花粉症やアレルギー性鼻炎の症状も軽減するどされるとされていますが、乳酸菌果汁飲料と経口免疫療法を併用する事で、牛乳アレルギーが軽減されるのではないかとの研究行われています。

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