【空き家の活用法は〇〇】空き家を子供同士で押し付け合わないためには?
2022/06/19
近年、空き家をもてあます人が増えています。空き家の維持管理の大変さをお互いが避け、子供同士で押しつけあう争続も発生しています。今回は、空き家を売却したり、取り壊して運用する方法などについて解説します。
目次
空き家になるケース
「田舎の親がいなくなり、実家が空き家になってしまっている。自分達は東京で家を建てて暮らしているので、実家に帰るつもりはなく、実家の処分に困っている」という人が増えています。日本の空き家の数は年々増えており、将来的には5軒に1軒が空き家になると予想されています。空き家を親から譲り受けると、毎年固定資産税や管理費がかかってしまいます。誰も住まない空き家なら売ることも検討できますが、基本的に建物の価値はほぼゼロになっていることが多く、場所的にも駅からバスで20分もかかるなど、立地条件も良くない場合は買い手がつきません。また売却手続きに入れる人はまだ良い方で、子供たちの意見がまとまらず売却できない場合があります。このような空き家問題はどのように解決すればよいのでしょうか?
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空き家は売ったり貸せる状態にしておくことが大切
すでに空き家を持ってしまっている人は、固定資産税などが毎年かかってくるため、早急に対処が必要です。また、まだ空き家を持っていなくても、親の家や自分の家が将来的に空き家になる可能性がある人は、対策を考えておきましょう。
空き家が古びて老朽化が進んでいる場合は、取り壊して更地にする方法があります。売ることもできますが、期間限定で貸し出したり、アパートや駐車場を立てて運用する手段もあります。ただし本当に売れるかどうか分からないうちに早まって更地にしてしまうのはやめましょう。解体費が数百万円かかる場合が多いので、それだけの費用をかけて売れなかったら大変です。また家を取り壊すと小規模住宅用地の特例から外されるので、固定資産税が高くなり、税負担が重くなってしまいます。
リフォームを済ませていて、立地が駅近など物件条件が良いならば、売却や賃貸に回せます。リフォームを予定している方は、物件が動く春や秋にリフォームが完成するように逆算して計画を立てましょう。もしも買い手が見つかっているようなら多少安くても売却してしまうのも得策です。売却すると譲渡税がかかりますが、毎年かかっていた固定資産税はなくなります。売却の際には名義の変更がされている必要があるので、早めに親の名義から自分の名義へ変更をしておきましょう。家財道具の片付けなどで意外に時間がかかってしまうので、空き家の処分は早めに手を付けましょう。
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空き家の維持費は毎年10万円以上かかる
今後空き家に住んだり、あるいは売りたくても売れない状況の場合は、売れるまでの維持管理費がかかってきます。維持管理は面倒ですし、業者に頼むとお金もかかるので、二の足を踏んでしまう人も多いでしょう。もしも維持管理をせずに空き家を放っておいたらどうなるのでしょうか?
空き家を放置すると庭の草木が繁殖して近所に迷惑をかけることがあります。また家が朽ち果てると、不審人物や小動物が住み着く可能性もあります。粗大ゴミが不法投棄されたりして、いつのまにか空き家がゴミ屋敷になっていたという可能性もあります。このような状態にならないためには、自分で手入れをしたり、定期的に換気したりすることが必要です。しかし地方に空き家を持っている場合は、地方に帰る時間がない、交通費がかかるなどの理由で、ほとんどの人は行きたがりません。最近では家主に代わって、清掃や換気を行ってくれる空き家管理サービスの会社があります。これは月1万円ほど払うと、換気や通水、玄関前の除草などを一通りやってもらえるサービスです。当然ですが電気や水道の基本料金は自分で払う必要があります。
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相続争いを避けるために話し合いをしておく
子供が親の財産を相続する際に、当然家も相続の対象となります。土地の値段が高い頃は、子供同士で家の相続を希望して相続争いとなりがちでしたが、現在は家の値段がつかないため誰も相続したがらず、押し付け合うという争いが起こる場合が多いです。家を相続すると、解体費や税金がのしかかってくるため、子供の間で押し付け合いが発生します。また兄弟の共有名義にしている場合、一人がお金に困って売却を言い出しても、他の二人の同意が得られず話し合いがストップする場合もあります。また子供の一人が実家に住み続け、他の兄弟は売却を提案しても、実家に住んでいる子供が反対して売却がうまくいかないなどのケースもあります。このようなことにならないためにも、親が元気なうちに子供達に相続について話し合いの場を設けることをお勧めします。
空き家を隣人が買ってくれるケースもある
それでは家の売却はどうすればいいのでしょうか?親もこのことを考える必要がありますが、子供世代も事前によく考えておくことが必要です。売却するにしても維持管理するにしても、家の価値を確認することが大切です。家の価値はネットで確認できます。例えば「〇〇市、中古住宅」というキーワードで検索すると、自分の家とよく似た物件が出てきて、その価格より10%引けば売却価格が分かります。地元の不動産屋でも売却価格は確認できますが、事前にネットで相場を調べておくことをお勧めします。もしも価値がないと分かった場合は、空き家管理サービスの会社を利用して維持管理をし、ボロボロの家にならないようにしましょう。多少のお金はかかりますが維持管理をすることで、売却への道につながります。また隣人が買ってくれる場合もあるので、近所付き合いは大切にしましょう。あらかじめ家を相続させる人は一人に決めておき、土地の権利関係などは整理しておきましょう。