ブロックチェーンで銀行はいらない?銀行業務はすべて自動化の世界
銀行は、既存のビジネスモデルでは成長困難な局面にいます。
そのような危機感から、メガバンクを中心に、様々な改革が行われています。
銀行から人がいなくなり、銀行そのものの存在価値が疑問視される中で、銀行はどう変わっていくのでしょうか?
店舗で進む軽量化・無人化
2017年ごろから、3大メガバンクを中心に、店舗の改革が進められています。三菱UFJ銀行は、店舗を3パターンに分け、従来型の店舗、少数の行員だけ在籍し具体的な手続きは窓口のテレビ電話で行うサテライト型軽量店舗、行員ゼロの無人店舗にする計画です。
三井住友銀行は、支店業務のデジタル化を進め、事前に来店予約すれば、待ち時間ゼロで資産運用の相談や住所変更などができます。また、フリースペースを併設することで、誰でも気軽に入れる空間を目指しています。
みずほ銀行では、電子パンフレットや資産運用ロボを導入する予定で、半数の店舗は小型店へ移行する予定です。東京スター銀行では、店舗面積が5分の1の超小型店が登場し、わずか3名の行員で運営し、現金の取り扱いはせず、住宅ローン相談などに特化しています。
将来的に銀行の行員の数は減っていくでしょう。事実、新入行員の採用人数は絞られていますし、ゆくゆくはリストラも行われるでしょう。業務は本部に集中し、その本部もできる限りのコストカットを迫られるでしょう。
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銀行の店舗が減少していく一方で、コンビニやドラッグストア、保険ショップなどで銀行業務が行われるようになっています。コンビニは24時間営業しているので、平日に仕事で銀行に行けなかった会社員に重宝されますし、ドラッグストアは銀行の客層である高齢者が来店しやすいので、客層のマッチングが合っています。一部の保険ショップでは、住宅ローンの相談などができ、銀行の業務の一部を代替しています。
また、自宅や指定した場所にファイナンシャルプランナー(FP)が来てくれるサービスもあります。FPは、ファイナンシャルプランナー技能士やAFP、CFPなどの資格を持っており、銀行と比べて時間や場所の融通が効き、営業担当者がすぐに交替することもなく、営業方針に縛られずに自由な金融商品の紹介ができるメリットがあります。
ブロックチェーン導入で革命が起きる
ブロックチェーンとは仮想通貨のビットコインなどに利用されている技術で、ネットワーク上のやり取りの記録を利用者全員で保管・管理するシステムで、管理者不在のため管理者による情報漏洩はなく、データが不正に改ざんされても他の利用者からの監視で暴かれるという仕組みになっています。データを紛失した場合でも、利用者からデータをもらえば簡単に復元できます。
このブロックチェーン技術を銀行業務に応用すると、送金や振替、預金の預かりなどが仮想通貨で行われることになります。融資業務も、SNSやネット通販の履歴をもとに融資条件をクリアしているか審査でき、人が審査することなく融資できます。
また、行員による情報漏洩や不正ができなくなり、維持費のほぼかからないブロックチェーンは大幅なコストカットにもなります。
懸念点としては、対面取引が不要になるので、支店や行員の数が激減することですが、顧客の利便性を考えるうえで、ある意味で仕方のないことでしょう。
銀行が仮想通貨そのものを発行する動きも出てきており、みずほ銀行がJコインを発行したり、三菱UFJ銀行がMUFGコインを発行しています。これらのメリットとしては、格安で送金でき、24時間いつでも迅速に取引できることです。他の業界や企業よりもいち早く仮想通貨を使った自社の送金システムを普及させて、先行者利益を手に入れるため、海外の銀行などを含めて開発競争が激化しています。
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銀行以外からお金を集める
近年ではフィンテックの発達により、銀行から融資してもらわなくても、お金を集められるようになってきています。
クラウドファンディングは、個人や企業が企画を立て、それに賛同した人たちからネット上でお金を集めます。寄付型や購入型があり、寄付は見返りを求めずにお金をあげること、購入型はお金をあげた見返りに何かしらのリターンを得る型でネット通販に近いです。一般的に、寄付型よりも購入型の方が人気が高いです。
また、ソーシャルレンディングという方法もあり、案件の概要や予定利回りを公開し、それに賛同した人からお金を借りる仕組みです。利回りは、銀行に預金するよりも高いものが多いです。
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AIが資産運用をする
今までは資産運用する際に銀行員に相談して決めていた人も多いと思いますが、現在ではAIによるロボアドバイザーが顧客の投資性向に合わせ、投資商品の運用成績や今後の予測から、最適な投資商品を助言してくれます。また、助言だけにとどまらず、売買やリバランスといった投資行動もAIが代わりにやってくれるサービスもあります。このようなサービスは、人の力を使わないので、人件費がかからず手数料が安いメリットがあります。
また、AIを用いれば、クレジットカードの不正利用を検知することもでき、不正利用の検知的中率が90%も上がった例も報告されています。AIによる顔認証システムを使えば、ICカードがなくても社員のなりすましを防ぐことができ、ICチップ入りの社員証を持つわずらわしさから解放されます。