どんなに誹謗中傷しても侮辱罪や名誉棄損罪にならない方法。電話やメールがカギ
最近、ネットでの誹謗中傷が問題となり、侮辱罪や名誉棄損罪に問われた人もいると思う。しかし、実はどんなに悪口を言っても、侮辱罪や名誉棄損罪にならない方法があるのを知っているだろうか?今回は、そんな裏技を紹介したいと思うが、あくまでそういう事もできると言う話で、実際にやるのは倫理的におすすめしない。
侮辱罪や名誉棄損罪の成立条件
まず、大前提として、ここで言う侮辱罪や名誉棄損罪とは刑事事件での事であり、民事事件のことではない。そして、侮辱罪や名誉棄損罪を犯すと、罰金を払ったり、刑務所に入れられたりする。
では、どういうときに侮辱罪や名誉棄損罪が成立するのか?
侮辱罪は
『公然と人を侮辱する罪で,拘留または科料に処せられる(刑法231条)』
そして、名誉棄損罪は
『公然と事実を摘示し、他人の名誉を傷つけた場合に3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処せられる(刑法第230条)』
侮辱罪と名誉棄損罪の違いは、悪口が事実に基づいているかどうかである。侮辱罪は事実に基づいている必要はないが、名誉棄損罪は事実に基づいている必要がある。
例えるなら、「ブス」や「低能」は主観により事実に基づいていないので侮辱罪となり、「あそこの奥さんは浮気をしている」は、それが事実に基づいていれば名誉棄損罪となる。注意して欲しいのは、たとえ事実でも、悪口を公の場で言えば、罪になるという事である。事実なら何を言っても許されると言うわけではないのである。
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侮辱罪や名誉棄損罪が成立しないためには
そこで本題だが、逆に悪口をっても侮辱罪や名誉棄損罪にならないのはどんな場合だろうか?先述の侮辱罪と名誉棄損罪の成立条件をよく見て欲しい。どちらにも『公然と』という言葉が入っているのが分かるだろうか?
つまり、『公然と』悪口を言わなければ、侮辱罪や名誉棄損罪にはならないのである。なんか、揚げ足取りのような論理だが、実際そうなのだからしょうがないw
『公然と』していない状況とは、どんな状況だろうか。例えば、電話やメールがそうだろう。普通は1体1で行う物であり、『公然と』している状況は想定しにくい。電話やメールで、相手にどんなに罵声を浴びせてののしっても、侮辱罪や名誉棄損罪にはならないのである。
また、相手と直接会っている場合でも侮辱罪や名誉棄損罪にならない場合がある。例えば、誰もいない会議室で2人だけとなり、浴びせれるだけの罵声を浴びせた場合だ。これも2人の当事者以外には誰もいないので、『公然と』した状況ではない。よって、侮辱罪や名誉棄損罪は成立しない。
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公然としていることにそんなに意味があるのか?
こうやって見ると、案外侮辱罪や名誉棄損罪はザル法であることが分かる。被害者の精神的ダメージは同じなのに、公然と行われたかどうかで、まったく処遇が違うのである。
公然と行われたかどうかが重要視されるこの法律だが、例えばカフェなどの不特定多数が入り混じる場で罵られたら、どうなのだろう?確かに、不特定多数の人間に聞かれるわけなので侮辱罪や名誉棄損罪に当たるだろうが、その場に居合わせた人は所詮赤の他人である。興味本位で罵りを見ていても、そんなことはすぐに忘れてしまうだろうし、当事者の知り合いに罵りの内容を伝えるとは考えにくい。つまり、居てもいなくても同じなのである。
それなのに、そのような不特定多数が周りにいたから侮辱罪や名誉棄損罪が成立し、一方で会議室で同じ内容で罵られても侮辱罪や名誉棄損罪が成立しないのはおかしいのではないだろうか?繰り返すが、重視されるのは被害者の精神的ダメージである。(ここでは罪が成立しないので被害者ですらない)
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結局はお金を払えば済んでしまう
では、こんな裏技を使えば人の悪口を言いたい放題なのかと言うと、それは違う。刑事事件にはならなくても、民事事件として裁かれるからだ。最近のネットでの誹謗中傷が相次ぎ、社会問題になっていることを考慮され、慰謝料の額も増えている傾向である。ツイッターで悪口を言われ、慰謝料100万円なんて話もよくあるらしい。(ネットは不特定多数が閲覧でき、公然とした場なので刑事事件でも裁かれる)
ただし、民事事件はお金のやり取りだけを扱う物であり、警察は民事不介入なので、慰謝料などのお金さえ払えば、刑務所に入らなくて済むのである。慰謝料を払う余裕のあるお金持ちには、あまり効力がないのではないか?
そもそも、侮辱罪や名誉棄損罪は罰金で済んでしまうケースが多々あり、刑務所に入るのはごく稀なケースであろう。侮辱罪に関しては罰金1万円で済んでしまうなど、日本の法律は精神的な傷に対して、軽く扱いすぎだろう。
髪の毛1本でも抜いたら暴行罪が成立するのに、精神的なダメージに関してはたった1万円で済んでしまう。ささいな肉体的な傷ならすぐに治ってしまうが、精神的な傷はいつまでも残るものである。侮辱罪や名誉棄損罪の成立条件の緩和や、厳罰化を望むばかりだ。