SEKAI NO OWARIのsaoriがステージ上での尿漏れや産後うつを告白!
バンド「SEKAI NO OWARI」のメンバーであり作家でもある藤崎彩織さんが、新たなエッセー『ざくろちゃん、はじめまして』(水鈴社)で妊娠・出産や産後うつの経験を赤裸々に綴った。つわりや尿漏れ、産後のうつの症状といった様々な困難を経験しながらも、彼女はアーティスト活動を並行して続けた。その背景には「“幸せの軸”が仕事にしかなかった」という彼女自身の感情があった。しかし新たな家族を迎えることで、彼女の価値観は変化。家族やバンドメンバー、スタッフとの関係性や対話のあり方にも変化が生まれた。
デビュー時には「全人生を仕事に捧げる」という信念をもっていた彼女が、現在は「家族や生活を大切にすることも人それぞれ」という考えをもつようになった。その変化は、彼女が妊娠出産という経験を通して得た人間としての成長と変化を象徴している。
彼女は「全人生をかけて仕事する」やり方では持続できず、何処かで倒れてしまうと理解し、バランスを大切にするようになった。また、メンバーやスタッフに対しても、彼らの生活全体を大事にすることで、より良い仕事ができると考えるようになった。
このエッセイは、アーティストとしても母としても活動する彼女の、抱える困難や苦悩を乗り越えてきた日々を綴ったもので、その中で見えてきた人間としての成長や変化を描いている。
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「産後うつ」は様々な感情が交錯し、症状を改善しようという思いまで失せてしまう重さを持つことを、出産経験者は深く知っています。運動や日光浴、食事の見直し、適切な睡眠などの自己ケアが提唱されますが、その一歩を踏み出すエネルギーすら失われるのが産後うつです。そうした深い沈み込みの中、産後うつの人に対してプレッシャーをかけず、自己非難を避けることが重要だと述べています。
同時に、産後うつは母親だけの問題ではなく、父親も影響を受けることが指摘されています。子育ての中心となり、長時間子どもと過ごす父親も、うつの症状を発症することがある。しかし、父親の育児への投入度に対する社会の理解はまだまだ不足しており、仕事をしていないと見下される風潮が強い。この「男性の育児に対する社会の風潮」が、父親たちに大きなプレッシャーを与え、精神的な苦痛を引き起こす可能性がある。
その痛みに対して目を向け、理解し始めることができたのは、産後2年を経て自身の心と体が回復し、一人の時間が持てるようになった頃でした。彼女の体験談を読むことで、自身も産後うつに苦しんだ女性たちは、その苦痛を共有し、理解することができる。また、父親となった男性たちも、彼女の体験談を通じて、パートナーの感情や行動について理解を深めることができたといいます。