駅舎内のトイレがくみ取り式な理由。女子高校生は「あんなトイレは使えない」
JR四国の経費節約により、四国の駅が悲壮な風景を呈しています。無人駅はバス停やATMに見立てられ、駅舎内のトイレは未だに旧式のくみ取り式が使用されています。これが駅の姿であるべきなのでしょうか。
具体的には、JR牟岐線の南小松島駅(徳島県小松島市)は、特急列車の停車駅でありながら、昭和の時代そのままのトイレが現役です。また、南小松島駅のトイレは、男性用の和式便器が2台、小便器が3台、女性用の和式便器が3台という状態で、改修計画がないため、小松島市が2024年度に建て替える計画を立てています。
全259駅のうち、81%が無人駅で、これは1989年度の169駅から30年余りで40以上増えた数です。JR四国の全9路線が赤字という厳しい経営状況の中、待ち合わせ室にいる女子高校生(16歳)は、「あんなトイレは使えない」と首を横に振っています。
また、駅舎も簡素なバス停に似た施設に変わりつつあります。無人駅の駅舎は次々と簡素な施設に置き換えられており、2014年度以降に建て替えられたものは16か所に上る。その一つである中田駅の新しい駅舎は、長さ5m余り、幅1.5mほどの狭い空間にベンチが置かれています。
このような状況に対して、住民からは様々な意見が出ています。利便性を求める一方で、財政的な厳しさを理解する声もあり、また、駅舎の維持については市町村の対応もまちまちであり、JR四国、沿線市町村、住民が協力して解決策を模索する必要があるとされています。
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しかし、その一方で、駅舎内の売店は拠点駅以外で採算が合わなくなり、市町村が設けたふれあいスペースは閑古鳥が鳴くという状況が広がっています。この厳しい現実は、人口減少と車社会の進行が背景にあると言えます。かつては地域の交流の場として、また旅人の憩いの場として機能していた駅が、今ではほとんど使われていないというのは、四国の地方鉄道の衰退を象徴しています。
しかしながら、JR四国だけでなく、地方自治体や地元住民もこの問題に取り組むべきでしょう。JR四国の経費削減という判断に対する賛否両論がありますが、駅は地域の公共空間として存在しており、その維持と活用は全ての関係者が関与すべき課題です。
駅舎の維持と改修、利便性向上のための投資は、鉄道運行の公共性を考慮すれば必要不可欠である一方、自治体の財政問題を考慮すれば簡単に進められるものではありません。それでも、住民の意見や自治体の協力を得ることで、駅の存続と機能向上を図ることは可能でしょう。
結局のところ、四国の鉄道駅を支えるためには、JR四国と沿線の市町村、そして住民全てが一丸となることが必要です。それぞれが見て見ぬふりをするのではなく、共同で解決策を探り、積極的に取り組むべきだと言えるでしょう。それが四国の鉄道駅が立ち直り、再び地域の中心として活動するための道だと考えます。