【なでしこジャパンの戦いと賞金格差の驚き】2023 FIFA女子ワールドカップの裏側
激しい戦いが繰り広げられるFIFA女子ワールドカップの舞台、オーストラリア・ニュージーランド大会。日本代表のなでしこジャパンは、8強の中でスウェーデンとの対決に挑んだ。しかし、熱戦の末に1-2での敗北。惜しくも2大会ぶりの4強進出の夢は叶わなかった。
しかし、その中でも目を引くのは、選手たちに支払われる賞金の額とその格差。今大会、全23選手に1人当たり9万ドル(約1260万円)の「出場給」が支払われることとなった。これを比較すると、2011年ドイツ大会での優勝チームは1人当たり650万円だった。わずか10年弱での金額の飛躍は驚異的だ。
その理由の一端は、賞金の総額の増額にある。今大会では、出場チーム数が24から32に拡大。その結果、賞金総額は前回の3000万ドルから1億1000万ドル(約154億円)へと大幅に増加した。そして、その賞金の一部が選手たちに初めて分配される形となったのだ。
具体的には、1次リーグ敗退でも3万ドル(約420万円)、16強進出で6万ドル、8強進出で9万ドルと段階的に増額される。そして4強進出時には、最低でも16万5000ドルを得ることができた。賞金の最高は、優勝時に獲得できる27万ドル(約3780万円)だ。
この驚きの賞金制度について、FIFAのインファンティノ会長は「世界的に女子プロ選手の年俸は約1万4000ドル(約196万円)」とし、この新しい分配方式が選手たちの生活やキャリアに革命的な影響を与えるとコメント。一試合にかける熱量、そしてその報酬に対する期待は、観客だけでなく、選手たちにとっても一層の意味を持つこととなった。
なでしこジャパンは準々決勝で敗れたものの、この大会での賞金格差の変動は、女子サッカー界の将来に大きな希望と期待をもたらすだろう。