【レーザーとビームの違いとは?】実は光の事ではない?
2022/06/05
SFではおなじみの単語、レーザーとビーム。
現実でもレーザーを使った医療用メス「レーザーメス」が存在し、
車のライトのことをビームと言ったりもします。
両方とも「光」という感覚があるかと思いますが、
この2つにはどんな違いがあるのでしょうか。
レーザーとビームの違い
同じようなイメージがありますが、
レーザーとビームは全くの別物です。
まずレーザーとは、
「誘導放出によって光を増幅し、
発射させる装置、またはその原理」のことです。
つまり光が発生する際の、特定の「作用」の事です。
光そのものの事ではないんですね。
ここから転じて、レーザーを作り出す装置の事も指します。
対するビームとは、光そのものの事です。
「光や電波の束の事で、光の粒子が一定の方向に揃った流れ」を、
ビームと呼びます。
粒子ビームや電磁波ビーム、超音波ビームなどがあります。
レーザーも光子の流れなので、ビームの一種です。
また、「レーザービーム」という呼称もあります。
これはレーザー光を表す場合に使われる事が多いです。
科学の世界で使われる言葉ではないので、
一般的な単語と言えます。
レーザーもビームも光線を表す俗称であり、
科学用語というわけでは無いようです。
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レーザーとビームは性質が違う?
レーザーは一点に集中する特性があります。
指向性が高いので、ほとんど拡散せずに直進します。
これにより、小さな範囲に高密度のエネルギーが集中します。
一方、ビームはレーザーほど収束性がありませんが、
直進性はあります。
ビームもレーザーもまっすぐ飛んでいくイメージがありますね。
ビームは粒子や波がお互いにぶつからないので、
前方にまっすぐ飛びます。
複数のレーザー光をレンズなどで一箇所に集めれば、
レーザーが集中して当たった所は数万℃にまで上がります。
医療現場で使われるレーザーメスは、
この性質を利用したものです。
また、レーザーの速度は光速で伝わります。
対するビームは、進行方向が同じだけの粒子の集団であり、
粒子の1つ1つが質量を持っています。
質量を持つため、光速に至ることはありません。
もちろん光なので、伝わる速度自体はとてつもなく早いですが。
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レーザーとビームの違いとは?実は光の事ではない?のまとめ
レーザーは特定の光を発生させる際の作用のことで、
ビームは直進性を持つ光そのものを指します。
レーザー光は指向性があり、
複数のレーザー光が一点に集中すれば、
数万℃の高温を発生させます。
ビームは複数の光の粒子がぶつからないので、
直進性があります。
レーザーが光自体を表す言葉ではないというのは、
意外ですね。
SF作品では良く出てくる、レーザーとビーム。
これらの違いを踏まえてみると、
SFをより楽しめるかもしれません。