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雑学

世界はコンピュータ上のシミュレーション仮説!無限のアイデアを一瞬で手に入れる

2022/06/05

ゲームの世界は日々進化していて、10年前のゲームと比べて、現代のゲームは現実と見間違うほどのリアリティがあります。もし、このような進化が続くと、現実と全く見分けがつかない世界が作れ、もしかしたら我々の世界もゲームの世界なのではないかと疑ってしまいます。もしも我々の世界が何者かによって作られたシミュレーションの世界なら、「何のために生きているのか」という人生の悩みは、果たして意味があるのでしょうか?

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我々がシミュレーション世界に住んでいる確率はほぼ100%

ニック・ボストロム教授によると、我々がシミュレーション世界に住んでいる確率はほぼ100%だそうです。なぜそう言えるかと言うと、ある文明がシミュレーション世界を作れるレベルに達すると、間違いなくその文明は様々な目的でいくつものシミュレーション世界を作るでしょう。そうすると、シミュレーション世界の人口の方が、シミュレーション世界でない人口をはるかに上回るので、我々もシミュレーション世界の人間である可能性が極めて高いのです。

 

では、シミュレーション世界を作る目的とは何でしょうか。

例えば、経済政策を現実世界で行おうとすると、失敗した時のリスクが図り知れません。しかし、シミュレーション世界の中でその経済政策の実験ができれば、リスクなくその実験結果を得られ、それを自分たちの現実世界で行えばいいことになります。

 

また、歴史上の偉人の活躍の度合いが知りたいときに、例えば徳川家康がいなかったら歴史はどうなっていたかというシミュレーションができます。徳川家康がいた場合といなかった場合で、徳川家康がいた場合の方が明らかに戦国時代に終止符が打たれた数が多ければ、徳川家康は戦国時代を終わらせるのに貢献したと推測できるのです。

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この世界がシミュレーション世界である証拠

いきなり、この世界がシミュレーション世界であると言われても誰も信じないかもしれませんが、この世界がシミュレーション世界である可能性を示唆する事象はいくつもあります。

 

この世界は素晴らしいバランスで成り立っており、特に物理学の世界では長年、自然法則があまりにうまくできすぎていることが大きな謎とされていました。これを「ゴルディロックス・エニグマ」と言います。

 

ゴルディロックスとは、ちょうどよいという意味の言葉で、もともとは「3匹のクマ」という絵本に出てきた女の子の名前です。森の中で小屋を見つけたゴルディロックスは、その中に入り、3種類のスープや椅子、ベッドの中で、ちょうどよいものを選んでいきます。最後にはクマが帰ってきて女の子は逃げ出してしまうというストーリーなのですが、この物語からゴルディロックスはちょうどよいという意味で使われるようになりました。ちなみにエニグマとは謎という意味です。

 

この世界がちょうどよいバランスでできている例として、太陽の核融合反応があります。太陽の内部では核融合反応が活発に起きていますが、これは重力のおかげで超高圧になり、原子核同士が融合し、その結果まぶしい太陽光線となって地球に降り注ぎ、地球を生命の星たらしめているのです。実はこの重力が強すぎると太陽の核融合反応は早く進みすぎてしまい、生命が進化するために必要だった数十億年という時間が経つ前に燃え尽きてしまいます。逆に重力が弱すぎれば、そもそも太陽は宇宙に漂うガスが集まってできた物なので、そのガスが集まらず、太陽自体ができていなかった=我々生命は誕生しなかったという事になります。重力は我々生命を誕生させるのに「ちょうどよい」強さなのです。

 

他の例としては、ミドリムシがあげられます。生物の世界ではダーウィンが提唱した進化論が優勢ですが、それでは説明のつかない現象がミドリムシでは見られます。ミドリムシには鞭毛という泳ぐための器官がありますが、この鞭毛を形作る「微小管」「ダイニン」「ネキシン」という部品たちすべてが揃わないと、鞭毛は泳ぐ能力を発揮できません。進化論では進化の過程で徐々にこれらの部品ができていったことになりますが、1つでは役に立たない部品を生物が作るとは思えません。そうするとこれらの部品はある時点で突然すべて現れたと考えるしかないのですが、それはこの世界がシミュレーション世界であるという事を示唆しているのではないでしょうか。

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この世界はコンピュータと親和性が高い

我々の世界は連続的な世界ですが、実はミクロの世界はとびとびの世界です。例えば、電子の回転半径は、どんな半径でも取れるというわけではなく、不連続な値しか取れません。別の半径の軌道に移るときは、瞬間的に「ジャンプ」するのです。

 

自然の本質はデジタルなのです。これは自然をコンピューターで再現するのに、必ず必要な要素です。最近では、時間や空間も不連続だと考える学者もいます。もしこの世界がシミュレーション世界なら、時間も空間も不連続なはずです。重力場検出プロジェクトでは、重力場は空間自体がゆがむことで起こるさざ波のようなものなので、空間が不連続だと重力波が滑らかではなくなり、ノイズを含むようになると考えられており、その検出ができれば空間がデジタルであることを証明できます。

賢者型シミュレーションのメリット・デメリット

シミュレーション世界を作る目的として最も確からしいのは、賢者型のシミュレーション世界を作ることです。賢者型とは、各シミュレーション世界を何も操作せず、発展するままにして、そこから多くの叡智をもらおうという考え方です。賢者型シミュレーションでは、まだ見たこともないアイデアが次々と生まれる可能性があります。しかも、シミュレーションはコンピュータの中の出来事なので、何十億年という進化も現実世界では一瞬でできてしまいます。一瞬で数えきれないほどのアイデアを手に入れることができるのです。さらには、シミュレーション世界を未来に早送りすれば、自分たちよりもはるかに進んだ文明を作ることもできます。賢者型シミュレーションは、知識の生産装置となるのです。我々の記憶は生まれてからずっとあると思い込んでいますが、実はほんの数秒前に作られたものかもしれないのです。

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この世界がシミュレーションなら、なぜ戦争や貧困で苦しむ我々をほったらかしにしておくのかという疑問が生じますが、何か問題が起きるたびに解決策を教えてしまったら、文明の独自性が損なわれてしまうのです。我々の世界以外にも、シミュレーション世界はいくつもあり、それぞれが独自の文明を築くことが望ましく、そのためなら戦争や貧困は見て見ぬふりをしなければいけないのです。

 

また、我々の世界では光の速さを超えることはできませんが、これにも理由があり、光速を超えて移動できるようになったら、宇宙人い容易に会いに行ったり、彼らと交信するのも簡単になってしまい、文明の独自性が損なわれるのです。この宇宙は1つのシミュレーション世界であり、宇宙の中にも地球と同じように、文明を持った星がたくさんあると考えられています。

AIと賢者型シミュレーションの作る世界

現在はAIが世界を変えると言われていますが、AIの欠点は、元となるデータが無ければ学習できないという点です。それに比べ、賢者型シミュレーションは自ら発展していくので、AIよりも優れています。将来的には、賢者型シミュレーションが毎秒イノベーションを起こし、それをAI労働者が瞬時にビジネスに活用していくという未来になるでしょう。人間はその進化についていけず、労働は完全にAIが行い、人間はただ遊んでいるだけという状態になるでしょう。

 

シミュレーション世界は入れ子のように、確かに我々もシミュレーション世界の人間かもしれませんが、我々もシミュレーション世界を作ることができます。そして、産業革命がイギリスに世界の覇権をもたらしたのと同じように、シミュレーション世界を最初に発明した国が爆発的に発展し、他の国々を置いてけぼりにしてしまうでしょう。さて、どの国が最初にシミュレーション世界を作るのでしょうか?

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