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雑学

AIで仕事はなくなるは嘘!?AI化でも人手が残るすきま労働とは?

2021/06/17

AIによって世の中の仕事の半分が無くなると言われて久しいが、実際はそんなことにはなっていないというのが実感ではないだろうか?なぜAIによってまだ仕事は奪われていないのか、雇用代替の過渡期に起こる「すきま労働社会」とは何なのかを紐解いていく。

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事務作業の機械化

事務作業は一般的に効率化が図りやすい。なぜなら、その作業の多くがパソコン内で完結するからだ。物理的な機械がいらず、処理ルールを文字に落としやすい。そもそも、わざわざAIを使わなくても、現状のIT技術で事務作業の多くは効率化できるはずなので、あまりAIの参入する余地はない。

 

事務作業の具体的な内容は、勤怠管理や給与の支払い、交通費や事務機器などの立て替え清算、社会保険の手続き、異動や昇進に伴う人事データの更新、冠婚葬祭、入社や退社、電話や備品の管理だ。基本的にはこれらは各社員がダイレクト入力することで、事務員の作業をかなりの部分を減らしている

 

どこに人手が割かれているかと言うと、伝票の督促や誤記入への訂正要望、期日に間に合わない伝票を臨時ルートで処理するなどのイレギュラー業務だ。また、営業経理系では、宛名や振り込み先の印字位置がバラバラなため、人手を使って1つずつ入力していくことが求められる。この対策としては、例えば経団連が進行役として、請求書の標準フォーマットを作り広めていくことが考えられる。

 

逆に人手が絶対いるというのは、どんな作業だろうか?例えば、過重労働が起きないように勤怠管理をしていて、残業が多すぎる場合は、その人のパソコン上に警告のメッセージを出すが、それだけでは実際に残業をやめてくれない。そこで、事務員が電話をして注意喚起すると、残業をやめてくれる確率が上がるのだ。同じ内容でもAIがするのと人がするのでは、受け取り方が変わってくる良い例だ。ロボットに土下座をされても許す気にはならないのと同じだ。

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流通サービス業の機械化

流通サービス業は物理的な作業が多く発生し、ロボットの手足が必要となる分野だ。ただし、熾烈な価格競争や人手不足で、機械化できるところはすでに機械化されている。では、どういう部分に人手が割かれているのか、回転寿司を例に考える。

 

店によって異なるが、セントラルキッチン化していないチェーン店では、味が落ちるのを防ぐため、魚の皮をはぐ作業や初回冷凍ものの加工・調理を店で行う。魚のさばき方でも、1匹の魚からなるべく多くネタを切り出し、かつ食欲をそそる形に切らなければいけない。それは、魚の種類やおおきさ、鮮度、仕入れ時期によって微妙に異なり、ベテランの人の手が必要だ。

 

とはいえ、調理ロボットもすでに世の中では開発されている。モーリー・ロボティクスというイギリスの会社が家庭用の調理ロボットを発売したが、このロボットは天井から2本の腕だけが生えており、醤油の瓶のふたを指で開けるなど繊細な動きが可能で、作れるレシピは2000種類を超える。このような技術開発が進めば、ベテランの魚なさばき方も、ロボットが代替できる日が来るだろう。

 

ホールや洗い場については、AIによる代替ができそうである。ホールでは客の混雑状況によって、どのテーブルに誘導するかの計算が必要となる。しかし、現在はま寿司では、ソフトバンクのペッパー君がはっぴを着て、来店客がどの席に座ればいいか決めてくれるし、スシローでも機械が席を決めてくれる。

 

洗い場では、常に食器を確保するために、食洗器をフル稼働させているが、より効率的に洗うために、テトリスのようになるべく隙間を作らずに食器を入れていくなどの工夫が必要となる。しかし、そういった工夫はAIが得意とするところなので、これも機械に代替されていくだろう。

 

大規模な流通サービス業では、すでに機械化・自動化が進められているが、機械化するにも莫大な費用が必要なので、大量に発生する単純業務以外は機械化が難しい。それ以外の「高度でコツのいる仕事」か「機械の間を埋めるすきま作業」に人手が残ると考えられるが、いずれドラえもんのような何でもこなせる汎用型AIができれば、「高度でコツのいる仕事」も機械に代替される。

 

そうなれば、人間に残されるのは、誰でもできるつまらない「機械の間を埋めるすきま作業」しかなく、仕事に対するモチベーションは下がっていくだろう。

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営業の機械化

営業の仕事と言えば、顧客企業に訪問して人と人が直接会って商談しているイメージがある。しかも、そういう汗をかくのが良しとされる風潮があるため、なかなか機械化が進まないと予想されるが、営業もAIが代替する日が来るのだろうか?

 

現在の営業は、単価の低い取引はネット上で完結するが、大型案件や新規の案件は対面での営業がほとんどだ。なぜわざわざ会う必要があるのかという理由だが、直接会った方が先方の担当者にマインドチェンジしてもらいやすいからだ。

 

複雑な仕組みについての説明は、メールでのやり取りで行うのは難しい。ならば、スカイプという手も思いつくが、ここでキーワードになるのは「相手の時間と空間を押さえる」ということだ。

 

メールは読み飛ばされる恐れがあるし、スカイプや電話は切られてしまえば終わりだ。その点、直接会っている場合には、嫌でも営業マンの話を聞かなければいけない。ある意味では、営業される側には困った方法だが、営業マンとして顧客と直接会うのは強力な手段なのだ。

 

顧客相手のBtoCでの汗かき勝負は消えたと言われているが、法人相手のBtoBでは汗かき勝負はまだ残っている。とは言っても、ただ接待などをすればいいのでは無く、しっかりとしたレベルの高いコンサルをするために、ひざ詰めで直接会って話し合うというのが求められるのである。

 

 

AI化で賃金は下がるか?

誰でも気になる賃金の行方だが、AI化では賃金は下がらないだろう。その理由としては、AIが代替するようなノウハウ仕事は、現在ベテランのパート社員が担っており、彼らの賃金はすでに安いので、これ以上下がりようがないのだ。加えて、慢性の人手不足により、人材確保のために賃金を下げることは難しい

 

逆に機械化で何割かの雇用削減ができた会社は、余った人件費を残った従業員の賃金アップに充てるだろう。確かに何割かの人は解雇されるかもしれないが、残った人は賃金アップの可能性があるという事だ。

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