バナナで病気になる。恐ろしい健康被害&値段が安い黒い理由
バナナはおいしいし、手軽に食べられ、安いし栄養価もあります。今は日本で一番食べられている果物となりました。しかし農家の人や近隣住民がどのような扱いを受けているか知っていますか?
バナナの価格が変わらない黒い理由
日本が一番バナナを輸入している国はフィリピンで、年間生産量は600万トン以上あり、そのうち80万トンほどが日本へ輸出されています。日本のバナナのほとんどはフィリピン産ですね。
バナナはここ数十年間値段が変わっていません。物価は上がっているはずなのに、バナナの取引金額だけ上がっていないのは違和感があります。ミカンやリンゴは国産品が主なので、物価の上昇とともに値段が上がっていますが、バナナに関してはずっと価格がほぼ一定です。これは何を意味しているかと言うと、単純に農家の給料が少ないままか、企業の給与水準が全く上がっていないからどちらかということになります。実際はバナナ農家は、企業に買いたたかれて、安い給料しかもらっていません。
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バナナの健康被害
バナナのもう一つの家実は、農家や周辺に住む人達の農薬による健康被害です。フィリピンでは、自分たちが食べる用ではなく、外国に輸出するためにプランテーションとしてバナナなどが大量生産されています。ここでバナナの病気を防ぐために行われる空中農薬散布で、プランテーションとは違うところにも農薬が撒かれてしまい、これは毒の雨と呼ばれており、子供達にまで健康被害が及んでいます。具体的には皮膚疾患や腎臓疾患、喘息・咳などがあります。また家畜は死に、自分の畑にも被害が及んでいます。これに対して企業は何にも補償をしていません 。
バナナ農家の不利な契約条件
バナナ農家の人の給料が安いのはなぜでしょうか?実はフィリピンでは、バナナプランテーションで働く農家が自分で土地を所有できるようになり、多くのプランテーションは企業との契約によってバナナの金額が決定されています。つまりバナナ農家は独立した農家ということになり、ウーバーイーツで配達員がウーバー側に有利な条件で契約させられているように、バナナ農家も同じように企業に有利な条件で契約させられているのです。企業としては、従業員としてバナナを育ててもらうよりも、独立したバナナ農家として働いてもらう方が都合が良かったのです 。
バナナの取引金額は、生産者ではなく100%企業が決めていて、交渉の余地がありません。さらに1度その価格が決定してしまうと、契約期間が15年から30年という非常に長い期間に及んでしまうのです。さらに企業は契約を自動的に更新する権利があって、自動更新が行われると、最初の仕入れ金額が変わることなく最低30年は同じ金額で仕入れられます。この契約金から、病気や害虫の対策費、加工費、資材費などが引かれ、さらに輸出途中でバナナに傷がつき、日本の港から返品されることがあれば、そのコストまで生産者が負担するという非常に不利な契約となっています。
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なぜこのような不利な契約を結ぶかというと、そもそも契約しないとバナナ農家として食べていけないということと、もう一つは契約書が英語で、バナナ農家の人は十分な教育を受けていないために契約の細かい内容を理解できなかったということがあります。それにつけこんで企業は契約金を数年分先払いさせるなどを行い、バナナ農家はこの契約のために貧困から抜け出せずにいます。農薬や化学肥料でさえ、企業が指定した会社から買わなければいけず、とことん搾取されています。
貧困を極めるバナナ農家の人たちは、雇う人数を減らすために、自分たちの子供を手伝わせます。そのことで、この非常に不利な契約が、子供達にも受け継がれていくのです。