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雑学

【9割が知らない】日本で長期有給休暇が取れない意外な歴史的理由

2022/06/19

シャイニングマンデーなる物が計画され、日本人の休み方が変わりつつありますが、そもそも日本人の有給休暇って、どうしてまとめて取れないんでしょうか?同僚の目が気になるというのもありますが、そこには歴史的な背景が隠れているのです。

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シャイニングマンデーで休みが増える?

皆さんは、シャイニングマンデーという言葉を知っていますか?

直訳すると、光り輝く月曜日となるわけですが、

実はこれ、月曜日の仕事を午前中は休みにして午後から始める、というものなのです。

 

シャイニングマンデーの目的は、日曜日の夜まで十分に遊んでもらい、労働意欲を高めたり、消費効果を増やすことにあります。

 

なんだか似た制度が、前にもありませんでしたか?

そう、プレミアムフライデーですね。

 

プレミアムフライデーとは、金曜日の午後3時に早めに仕事を切り上げて、

夕方以降は遊びましょうという制度です。

 

プレミアムフライデーは世間一般にはなかなか浸透しなかった部分もありますが、

今度はシャイニングマンデーを経済産業省が提案しているのです。

 

個人的には、休みが増えたらサラリーマンの人は嬉しいんじゃないかなと思うのですが、

その一方で、裁量労働制の導入など、自分で働く時間を調節できる働き方が求められていることも確かです。

 

シャイニングマンデーやプレミアムフライデーは、そんな働き方改革とは、矛盾するのではないかという意見もあります。

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世界と日本の有給休暇事情

さて、これまでは休みが増えるという話をしてきましたが、

この先は日本人の有給休暇の取り方の問題点について触れたいと思います。

 

日本では、有給休暇は分割して取るのが普通です。

1週間まとまった休みを取るなんて、他の従業員に遠慮してなかなか取れませんよね?

自分が休んだら、その分同僚の仕事が増えてしまいますからね。

 

しかし、世界的に見れば、有給休暇はまとめて取るのが常識となっています。

国際労働機関(ILO)も、原則的に有給休暇の分割取得は認めていません。

 

日本と世界の有給休暇の取り方の違いは、歴史を紐解けば理解できます。

世界的な歴史としては、労働者はまとまった休みを取るべきであり、だからこそ有給休暇という制度が出来たという背景があります。

一方で、日本では、そうした考え方を取り入れられない、やむにやまれぬ理由があったのです。

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 日本でまとまった有給休暇が取れない歴的背景

この章では、有給休暇の歴的背景を見ていきましょう。

およそ100年前、欧州の労働組合で、ある考えが生まれました。

「労働者を精神的かつ知的に休ませて、健康にするには、週休とは違う連続した休暇が必要だ」という考えです。この考えを労働者の権利だとして、主張し始めたのです。

 

その後、1926年にはスウェーデンで労働者の間に有給休暇という概念が広まり、1935年には欧州の企業のほとんどが労働者に有給休暇を与えていました。

 

この流れを受けて、1936年にILOは、1年以上継続して働いたすべての労働者に、連続した6労働日の有給休暇を最低でも取らせることを明記した条約を定めました。

そして、この最低基準を超えた場合のみ、有給休暇の分割が許されたのです。

 

その後、条約は改正をつづけ現在に至りますが、日本はこの条約を批准していません

そのため、日本では、分割の有給休暇しか取れず、まとまった休みは取れないのです。

一ヶ月近い休みを取る海外と比べると、日本との違いは大きいですね。

 

有給休暇などを定めた労働基準法が日本でできたのは、戦後の復興の真っ最中で、日本中がとにかくがむしゃらに働いていた時でした。

 

海外では、一日8時間労働や週休二日、長期有給休暇等の制度が進んでいく中、日本も一日10時間労働から8時間労働への転換などをしましたが、どうしても長期有給休暇だけは取り入れる事は出来ませんでした。

もし取り入れてしまうと、復興中の日本は世界に追い付けないと考えられたからです。

 

しかし、いまや日本は世界有数の先進国となっています。

にもかかわらず、戦後復興のために取りやめにされた長期有給休暇を、そのまま継続して取りやめにする意味があるのでしょうか?

 

日本人は働き過ぎだとよく言われます。このあたりで、長期有給休暇を視野に、日本人の働き方を見直してみても良いのではないでしょうか?

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 フランスで始まった「もっと休もう」スローガン

実は、100年前のフランスでは、今の日本の様に過労になる人が大勢いました。

そんな状況を打破したのが、一人の政治家の決断でした。

 

レオン・ブルムという政治家は、大恐慌で疲弊しているフランス経済を見て、もっとみんなで休みましょうと呼びかけました。これを聞いた有識者たちは反発しました。皮肉を込めて「ブルムの実験」とも言われました。

 

しかし、ブルム氏はひるむことなく、改革を推し進め、週40時間労働や、2週間の有給休暇保証などを実現しました。この制度は通称バカンス法と呼ばれています。

 

するとどうなったでしょうか?なんと、休みが増えたことで、サービス産業が発達し、雇用が拡大したのです。これを受けて、他の欧州諸国でもブルム氏のスローガンは取り入れられていきました。

 

一人の政治家の決断が、世の中を巻き込んで、労働環境を大きく変えたのですね。

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 もっと休みたい!日本で長期有給休暇が取れない納得の歴的背景のまとめ

プレミアムフライデーに続きシャイニングマンデーなど、日本人の休みが増えつつありますが、海外に比べればまだまだ日本人は働き過ぎと言えるでしょう。長期有給休暇を導入する事で、日本人も生き生きとした働き方ができるかもしれませんね。

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