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「文化」の違い

【川柳と俳句の違いとは?】ポイントは季語とテーマの有無!

2022/06/08

学校の授業で俳句を作ったとき、

「これじゃ俳句じゃなくて川柳だよ(笑)」

といわれた人はいませんか?

 

川柳も俳句も、同じ5・7・5のリズムで、

文章を作ります。

この2つの違いはどこにあるのでしょう?

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川柳と俳句の違いとは?

俳句のテーマは「自然」が中心です。

自然の情緒を文章で表すのが俳句です。

 

一方の川柳は、「人」を対象とします。

人間模様を描いたり、

社会風刺的な句を読むなど、

人間の営みが川柳のテーマです。

 

どちらも例外はありますが、

ほとんどの句は上記の内容です。

 

川柳と俳句には、それぞれ型といいますか、

様式があります。

俳句には「季語」が必要です。

季語とは特定の季節をイメージさせる単語であり、

たとえば春の俳句なら、

「桜」や「椿」といった春の花、

「春菊」などの春の食べ物、

「雪解け」なども春の季語です。

夏なら「ヒマワリ」や「鮎」です。

 

俳句のテーマは自然なので、

こういった季語が必要ですが、

川柳では季語がなくても構いません

人の営みは季節に関係ない場合が多いからでしょうね。

 

また、俳句は、「文語」表現ですが、

川柳は「口語」表現が普通です。

俳句は古文に代表されるような、

「~や」、「~かな」、「~けり」といった言い回しをするので、

文学的な響きです。

これを「切れ字」といいます。

 

一方の川柳は日常会話で使われるような、

くだけた言い回しが特徴です。

切れ字も重要視されず、

使いたい人が使うといった具合です。

 

ほかにも、俳句を作ることを「詠む」といいますが、

川柳は詠むではなく「吐く」「ものす」といいます。

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川柳と俳句は、「俳諧連歌」から生まれた!

俳句も川柳も、同じ「俳諧連歌」から生まれました。

俳諧連歌とは複数の人が集まって、

短歌の上の句(5・7・5)と、

下の句(7・7)を数人で交互に詠み続けるというものです。

 

通常は一人で考える俳句ですが、

上の句と下の句を別々の人が考えるのが、

俳諧連歌です。

 

イメージとしては、大喜利で出されたお題に

次々と自分で考えた返しを言っていくようなものです。

 

 

連歌は昔の人のゲーム(遊戯)であり、

1つの句を別人が考えることによって、

思いがけない名句が生まれる事があります。

発想力が鍛えられるので、

現代の脳トレに近い効果もあったのでしょう。

 

鎌倉時代から江戸時代にかけて連歌が流行し、

有名な娯楽となります。

 

そしていつしか、

連歌の発句である「5・7・5」の部分だけで、

句を作ることが流行りました。

これが後の俳句です。

 

連歌の発句には「季語を入れる」

「切れ字で書く(当時の一般形式)」という、

2つのルールがありました。

このルールがそのまま俳句に受け継がれたので、

川柳にはない特徴となりました。

 

一方の川柳は、俳諧の「平句」が独立し、

文芸に発展したものです。

発句ではないので季語などの約束事がなく、

テーマも人情や人の営み、社会風俗などと幅広いです。

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川柳も俳句も深い歴史を持つ!

川柳と俳句に対して、

「俳句は昔からあり、川柳は最近のもの」

というイメージを持つ人がいます。

 

しかし歴史的に見ればどちらも古く、

誕生したのもほとんど同時期です。

どちらも連歌が起源であり、

武士の嗜みとして深い歴史があります。

 

連歌といえば、明智光秀の逸話が有名です。

 

本能寺の変が起こる少し前、

複数の武将たちが集まって連歌を行いました。

そこで

明智光秀が詠んだ、

「ときは今天が下しる五月哉」

という句が有名です。

一説によると、この句を詠んだ光秀は、

すでに謀反を起こす決意が固まっており、

その決意を込めて上記の句を詠んだとされています。

 

「時」は「土岐」という意味。

土岐とは明智光秀の出身一族の名前です。

 

「雨が下しる」は「天が下知る」の読み替えであり、

「天下」を示しています。

 

つまりこの句の本当の意味は、

「土岐氏の出である光秀が、

天下に名を上げる」となり、

織田信長を裏切る事を読み取れます。

 

これは複数ある説の1つですが、

明智光秀は文武に優れた智将として有名です。

誰にも明かせない決意を、

発句として表す……というのも

ありえない話ではなさそうです。

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川柳と俳句の違いとは?ポイントは季語とテーマ!まとめ

川柳と俳句は、どちらも俳諧連歌から誕生し、

それぞれ独自に発達した文芸です。

 

俳句は自然をテーマにし、

季語や切れ字などのルールがあります。

川柳は人の営みをテーマにし、

俳句のようなルールがありません。

 

 

こうした違いが分かれば、

句を読んだだけで川柳か俳句か分かるようになります。

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