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雑学

アイドルが他グループへの移籍交渉でクビに!給料ゼロでも辞めれず、「潰してやる」と脅される環境

アイドルグループ「トキメロ」の公式Twitterで、メンバーの藤咲晴さんが他グループのオーディションを受けていたことが発覚したため、運営が解雇処分を下したことが発表された。「トキメロ」運営によると、契約活動期間中に他社のオーディションを受けるという行為は、契約書では違反行為に相当する。また、同日、他メンバーの羽衣みずきさんが学業優先のため活動終了することになり、同時に2人がグループを離れることになった。

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アイドルが他グループへの移籍を画策するのは実は珍しくない。過去には、

アイドルグループ「100万ドルのフェアレディ」のメンバーの桃野はなびさんが、他グループへの移籍交渉が発覚したことで、グループから脱退させられた。このグループは新体制で頑張っていこうとしている矢先の出来事であったようだが、その新体制に不安があったから、桃野さんは他グループへの移籍交渉をしていたのだろう。アイドルが行う他グループへの移籍交渉の理由としては、今のグループに不安がある事や、もっと大きなグループで活動したいなど、様々な理由がある。しかし、事務所としてはせっかく育てたアイドルをよそへ取られては大変なので、契約書で移籍ができないように、ガチガチに固めているケースもある。

 

例えば地下アイドルに関しては、その過酷な労働条件にもかかわらず、契約書で別の事務所への移籍も認められていないというケースがあり、裁判にまで発展している。某地下アイドルの所属芸能事務所が、彼女らに賃金を一切払わず、別の事務所への移籍も認めないのは不当だとして、契約の解除と計約410万円の支払いを求めて東京地裁に訴えられたことがある。
訴えた4人の地下アイドルは、10〜20代で、コンサートに月平均8回ほど出演し、CDも出していた。月額の賃金は3万8千円の契約だったが、事務所は「ボーカルレッスン費用」などとして全額を天引きしており、事務所を辞めたい意向を伝えても、契約書を盾に「契約から7年は辞められず、解除しても2年間は芸能活動ができない」と言われたという。このように、辞めた後の芸能活動を制限することで、辞めにくくしているのだ。

彼女たちの手取りはゼロ円で、SNSの更新や動画の配信を頑張って、いくらフォロアーや再生数を増やしても、一切報酬は還元されない。衣装代もほぼ自腹だったと言う。

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レッスンではみんなの前で体重計に乗るよう強制され、目標体重まで減量できていないと、厳しく叱責された。追い詰められて、3日間何も口にせず、ライブ前に倒れたこともあった。それでも、心配されるどころか、「プロ意識が足りない」と言われた。

劣悪な労働環境は、改善を求めても事務所は取り合わず、途中からはなんとレッスンもなくなった。4人はたまりかねて脱退を申し出たが、そのうちの1人は女性マネジャーから低い声で「絶対芸能やるなよ。全力でつぶすぞ」と言われた。4人は契約解除と賃金支払いを求め東京地裁に提訴し、最終的には和解した。弁護士によると、納得できる内容での和解だったと言うが、裁判に持ち込む気力のあるアイドルは少数派で、ほとんどは泣き寝入りしている現状だろう。

 

このような契約からは逃げ出せないのだろうか?彼女らが事務所と結ぶ「専属マネジメント契約」が根本的な原因だが、アイドルは契約上個人事業主と扱われ、労働基準法が適用されないため、労働基準監督署も指導に二の足を踏む。愛媛県のご当地アイドル「愛の葉(えのは)Girls」の大本萌景(おおもと・ほのか)さん=当時(16)=が自殺した後、母の幸栄さん(43)は松山労基署に相談したが、「グレーな契約書だ」と言われただけで、相手にされなかった。

 

事務所が行う過度な移籍制限としては、 「芸能人が契約更新を拒否したくても、事務所の判断で1度更新できるとの規定がある」「契約更新を望まない芸能人に翻意させるため、報酬の支払いを遅らせる」「離籍した芸能人に関する悪評を流す」などがある。これらについて、公正取引委員会の有識者会議では独占禁止法上の問題となり得るとの報告書をまとめた。優越的な地位を乱用し、不当に不利益を与えるのは問題としたのだ。

この報告書については、「優越的地位の乱用に当たり得ると判断したのは意義が大きい」と評価され、移籍制限の不当性についても「憲法に規定された職業選択の自由を奪い、芸能人の活動を見たいという消費者の利益も阻害している」とされる。

 

このような動きが事務所をけん制し、まっとうな契約が結ばれる事を願うばかりだが、芸能界の闇は大きく、一筋縄ではいかないだろう。

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