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小惑星「ベンヌ」から史上3番目の小惑星サンプルリターン!太陽系の惑星の起源の解明なるか

7年前、アメリカ航空宇宙局(NASA)が発射した惑星探査機「OSIRIS-REx」は、地球近傍小惑星「ベンヌ(Bennu、ベヌー)」への探査からの帰還の準備を進めています。この探査機は、9月24日(米国時間)の朝に地球を通過し、宇宙から持ち帰った約9オンス(約255g)の岩石が入った容器を大気圏に放出する予定です。この容器は、大気圏突入後にパラシュートを展開し、ユタ州の砂漠に着陸する予定で、着陸予定時刻は米山岳部時間の午前8時55分ごろ(日本時間の9月25日0時55分ごろ)です。

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この帰還が成功すれば、惑星科学にとって重要な進展となります。なぜなら、宇宙から汚染されていない岩石を研究できる機会は非常に貴重であり、ベンヌの成分構成や起源を理解するのに役立つからです。このミッションの成功は、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)による小惑星「イトカワ」と「リュウグウ」へのミッションに続く、史上3番目の小惑星サンプルリターンとなります。

アリゾナ大学の研究チームは容器内の塵や岩石の組成を調査し、有機分子が存在する可能性を追求する予定です。また、ベンヌとリュウグウのサンプルを比較することも考えています。

ただし、最初に大気圏へ再突入する際には多くの困難が待ち受けています。探査機の製造元であるロッキード・マーチンがカプセルの回収を担当しますが、再突入、パラシュート展開など、多くのリスクが伴う作業が必要です。

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カプセルは熱シールドによって、大気圏突入時の極端な温度(華氏5,000度または2,760℃)から守られています。大気圏を突破するのに必要な保護手段は非常に困難であり、熱シールドは軽量のカーボンファイバーで作られた融除材料から成り、ゆっくりと燃え尽きます。

カプセルは最初に小さな減速用パラシュートを展開し、その後7分後にメインパラシュートを開いて地上に向かって降下します。この急速な降下をヘリコプターが初めて見ることになります。着陸地点は米国防総省のユタ試験訓練場とダグウェイ実験場の敷地内で、比較的柔らかい土壌が衝撃を和らげるはずです。ただし、軍事試験訓練場内であるため、回収前に軍の担当者がエリアを調査し、不発弾がないことを確認する必要があります。

このミッションの最初の難関は着陸だけではありません。探査機はベンヌの表面を誤って詰まらせ、サンプルの一部が宇宙空間にこぼれ落ちてしまいました。このため、容器の外側に小惑星の塵が覆っている可能性を考えています。

一方、日本の小惑星探査機「はやぶさ2」は、C型(炭素質)小惑星のリュウグウからサンプルを持ち帰りました。ベンヌはB型の小惑星で、炭素や他の鉱物が豊富です。したがって、リュウグウとのサンプル比較により、太陽系内の多様性を理解する手助けとなるでしょう。

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小惑星は45億年前に形成された太陽系の惑星の起源を示すものであり、その多くの謎を解明する手がかりとなります。これらの岩石の研究によって、太陽系内の物質の進化や天体間の相互作用についての洞察が深まるでしょう。また、小惑星がどのようにして地球に影響を与える可能性があるのかを理解するためにも重要な情報が提供されます。

さらに、この帰還されるサンプルは、NASAがこれまでに行った他のミッションと同様に、宇宙から持ち帰ったものとしては3番目のサンプルとなります。以前のミッションでは太陽風粒子や彗星の小さなかけらが持ち帰られましたが、今回のサンプルは小惑星からのものです。NASAは今後10年以内には火星のサンプルを持ち帰る計画も進行中で、太陽系の多様な天体からの情報収集が続きます。

このOSIRIS-RExのサンプルリターンは、NASAが「小惑星の秋」と呼ぶ一連の取り組みの第1段階です。今後、NASAはさまざまな小惑星に向けた探査ミッションを計画し、太陽系内の天体についての理解を深めていく予定です。また、商業的な関心も高まっており、将来的には小惑星からの資源採掘が現実のものとなる可能性も考えられています。

OSIRIS-RExは地球に接近して通過した後、新たな挑戦に向けて出発します。それは、地球近傍小惑星「アポフィス(Apophis)」の探査であり、そのために探査機の名称は「OSIRIS-APEX」に改称される予定です。一方で、回収されたサンプルは慎重に取り扱われ、微生物汚染を防ぐために洗浄されます。そして、研究者たちはカプセルの中身を調査し、その成果を共有する予定です。NASAは10月11日にカプセルの公開を放送する予定です。

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