【鷲(ワシ)と鷹(タカ)の違いとは?】実は大きさだけ?
2019/06/06

http://barbarossa.red/raptors/
生態系の頂点に君臨する鳥といえば、
ワシやタカが知られています。
ワシとタカは猛禽類に分類される鳥類で、
他の動物を狩る習性を持ちます。
鋭い爪、掴む力が強いアゴ、曲がったクチバシを持っており、
ヘビやイヌ、シカ、オオカミ、クマまで襲うこともあります。
このワシやタカは、ソックリな外見を持っています。
何か違うところはあるのでしょうか?
鷲(ワシ)と鷹(タカ)の違いとは?
実はワシとタカは、どちらも生物的学的な違いがありません。
ワシとタカは両方ともタカ目タカ科に属す猛禽類です。
生物学上、どちらも同じ種類の生物です。
一般的には体の大きさで区分されています。
まずワシは、タカ目タカ科の中で、
比較的大きい種類のものがこう呼ばれます。
英語ではイーグル(Eagle)です。
オオワシやイヌワシなどがいます。
具体的には全長75~120cm、
翼を広げた時の大きさが約168~250cmです。
これは一般的なハトの約3倍です。
体は尻尾が短く、足は太いという特徴があります。
口ばしと爪は鋭く曲がっており、
動物を捕食するのに適した形です。
捕食対象は主にリスや野ウサギなどです。
小動物だけでなく、シカやオオカミなど、
自分よりも大きな獲物に挑むこともしばしばあります。
一方のタカは、ワシよりも小さい体を持っています。
オオタカやクマタカなどがこれに当たります。
英語ではホーク(Hawk)です。
全長50~80cm、翼を広げると約100~170cmです。
ハトの約2倍であり、ワシよりも一回り小さいですね。
ワシと比べると、足と尻尾が長く、翼が丸っこいです。
クチバシやツメはワシと同じように鋭く曲がっています。
主に野ネズミやリスなど、小型の動物を捕食します。
両者にはこのような違いがあります。
やはり最も分かりやすいのが、体の大きさのようですね。
ちなみにタカの一種であるクマタカは、
英語で「Mountain Hawk-Eagle」といいます。
タカとワシの両方の名前が入っている、面白い名前です。
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タカは人と深い関わりがあった!
今でこそ同じ種類と判明しているワシとタカですが、
17世紀頃には、ワシとタカは全く違う種だとされていました。
後に形態的・解剖学的研究が進み、
両者は外見的な違いしかないと分かりました。
そんな両者ですが、どちらも「勇敢、雄大」という、
共通のイメージが抱かれていますね。
特にタカは、戦国時代の武将とも大きな関係があります。
昔の武将はタカを飼いならし、
タカを使った狩りを楽しんでいました
その他、古代から権威の象徴とされており、
世界中の支配階級層が鷹狩りに興じたとされています。
タカは知能が高く、うまく飼育すれば、
人間にも懐くそうです。
といっても野生のタカを捕まえて飼うのは、
法律で禁じられています。
一方、ワシも狩りのパートナー(?)に使われます。
ただし日本では一般的では無かったようです。
日本の鷹狩りは林で行われることが多く、
小柄で木々の間を縫って飛ぶのが得意なタカが用いられました。
ワシは草原などに生息するので、林での飛行は苦手です。
そもそも体が大きすぎて扱いづらかった為、
ワシを使った狩りは広まりませんでした。

http://beaverland.web.fc2.com/idioms/indexta.html
トンビはワシやタカと違う?
ワシやタカに似ている鳥類として、
トンビが挙げられます。
トンビもタカ目タカ科に属する鳥で、
ワシやタカと同じ種類です。
鳴き声と飛び方に違いがあります。
ワシとタカには鳴くイメージがありませんが、
トンビは「ピーヒョロロロ」と鳴きます。
そしてトンビの大きな特徴は、飛び方です。
翼を広げ、羽ばたかずに輪を描くように空中を旋回します。
山などで空を見ると、
大きな鳥が翼を広げて飛んでいる光景が見えたりします。
あれがトンビであり、ワシやタカには見られない、
特徴的な飛び方です。
トンビはタカに比べると、知能が低く見られがちですね。
トンビは小動物を捕食したり、その死骸を食べたりします。
それだけでなく、人が住む地域のゴミをあさる事もあります。
カラスと同じく雑食性で、行動も市街地のカラスと似ていますね。
「トンビが鷹を産む」ということわざがありますが、
昔から格下に見られていたようです。

http://blog.goo.ne.jp/wagasato/e/d77bc01151faa5a08c08f0ddeb8c4338
鷲(ワシ)と鷹(タカ)の違いとは?実は大きさだけ?のまとめ
ワシとタカに生物学的な違いは無く、
一般的に大きさで分けられています。
ワシはタカよりも大きく、鳩の3倍程度の大きさ。
タカは鳩の2倍程度です。
どちらも動物を捕食する習性があり、
狩りが出来るように鋭い爪とクチバシを持っています。
山で大きな鳥を見かけたら、
鳩を基準に考えれば分かりそうですね。