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「食べ物」の違い

【ざるそば、もりそば、せいろそばの違いとは?】器は違うが味は一緒?

2022/06/09

麺とつゆが別々のそばには、

ざるそば、もりそば、せいろそばなどがあります。

見た目はほとんど同じに見えますよね。

 

お店でそばを食べようと思っても、

どれがどう違うのか悩む人も多いのでは?

今回は、これらの違いを解説していきます。

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ざるそば、もりそば、せいろそばの違いとは?

これら3つの最も大きな違いは、器です。

麺が盛り付けられている器によって、

呼び方が変わります。

 

「ざるそば」は竹ざるに盛ったそばです。

「ざる」とは竹で作られたざるを意味しており、

麺とつゆが別べつで、つゆにつけて食べます。

多くの場合、麺に刻み海苔がかかっており、

のりがかかっているものをざるそばと呼ぶ店が多いです。

 

「もりそば」は皿・椀・せいろなどに盛ったそばです。

これも麺とつゆが別べつです。

 

「せいろそば」はせいろに盛られたそばです。

「せいろ」とは竹や木を編んで作った、

蒸し料理用の調理器具のこと。

中華などで使用されることの多い。

このせいろをすのこで底上げし、

そこにそばが盛り付けられます。

 

いずれも麺とつゆが別べつで、

つゆにつけて食べます。

現在の「もりそば」と「ざるそば」と「せいろそば」の違いは、

盛り付ける器の違いと、

刻み海苔があるか無いかだけです。

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なぜ器が違うだけで別の名前になったのか?

麺やつゆに大きな特徴があるわけではなく、

盛り付ける器が違います。

「じゃあ盛りそばで統一すれば良いんじゃないの?」

と思いますよね。

その方が作る方も注文する方も楽ですし。

 

なぜ器が違うだけで別の名前になったのかは、

それぞれのそばの歴史を見ると分かります。

 

まず、これら3つの中で最初に生まれたのが、

「盛りそば」です。

江戸時代に店で出されるそばは、

麺とつゆが別々の「そば切り」が一般的でした。

 

江戸中期になると、初めから麺につゆをかけて出す、

「ぶっかけ」が流行りました。別名かけそばです。

手早くすぐに食べられ、器も1つという手軽さが、

せっかちな江戸っこにウケたのでしょうね。

 

しかし「やっぱりそばは、つゆにつけて食べるのが粋だ!」

という人も居たようです。

そこでお店側も「ぶっかけ」だけでなく、

それまでの蕎麦を出し続ける事にしました。

名前もぶっかけと区別して、「盛りそば」と改めます。

 

これがもりそばの始まりです。

このもりそばに使う器は特に決まっておらず、

皿やお椀に盛られていたそうです。

 

次に「ざるそば」ですが、

これはある店が考案したオリジナルメニューが起源です。

江戸時代、深川洲崎(現在の江東区木場の洲崎神社)に、

伊勢屋という蕎麦屋がありました。

すでにもりそばが流行していましたが、

伊勢屋は他の蕎麦屋と違う雰囲気を演出するため、

他店では使われていなかった新しい名前を考えます。

それが「ざるそば」です。

 

盛り付ける器を竹ざるに統一してお店に出したところ、

これが大好評

評判となったため、

他の店でもざるそばが出されるようになったそうです。

 

最後に「せいろそば」ですが、

こちらは少し複雑です。

そばをせいろに盛り付けるという試みは、

江戸初期にはすでに存在していました。

 

これは「蒸しそば」と呼ばれるもので

そばの麺をせいろで蒸し

蒸しあがった温かい状態で客に出されていました。

 

現在の「せいろそば」は、

江戸末期の天保時代に生まれたものです。

当時、蕎麦屋が幕府に値上げの許可を求めます。

 

この値上げ要求は却下されましたが、

代わりにある工夫が認められました

それは器を底上げして量を減らすことです。

 

せいろの底は板ではなく、

木や竹を使った網状になっています。

なのでせいろの下に何かを敷けば、

底が浮き上がります。

そこにそばを盛れば、そばが少な目の量でも多く見えます。

 

こうしてせいろをすのこで底上げし、

それに盛ったそばが出されるようになりました。

これが「盛りせいろ」と呼ばれ、

現在の「せいろそば」へと繋がります。

 

そばといえば茹でるものとしか思いませんでしたが、

蒸す方法もあったというのは驚きですね。

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味の違いはある?

味の違いですが、

この3つの味に大きな違いはないようです。

 

現在では刻み海苔の有無や、器の違いによって、

名前が使い分けられている事が多いです。

 

昔はざるそばと盛りそばで味や香りが違いました。

当時はざるそばに高価なそば粉を使い、

もりそば用には安い粉がつかわれていました。

なのでざるそばの方がよい香りだったようです。

 

つゆも、ざるそば用には鰹本節出汁やみりんを使い、

コクのあるつゆが使われていたそうです。

 

現在では「もりそば」も「ざるそば」も、

同じつゆを使っている店が多いです。

老舗のお蕎麦屋さんなら、

つゆをキッチリ使い分けている場合もあります。

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ざるそば、もりそば、せいろそばの違いとは?味は違う?のまとめ

ざるそば、もりそば、せいろそばは、

盛り付ける器の違いで呼び分けられます。

昔は麺やつゆの味も違いましたが、

現在は同じお店が多いです。

本格的なそばが食べたくなったら、

古くから続く老舗の蕎麦屋さんに行くと良いでしょう。

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